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血液中のエネルギー源がないから、カラダがだるくて、なにごともやる気が出ない状態になってしまう。
「疲れた」「疲れた」を連発し、だらだらとだらしない生活を送っているのは、この低血糖状態が原因といっていい。
彼らはけっして生まれつきなまけもので、だらしがないわけではない。
ほんとうにカラダがだるくて、どうしようもないのだ。
また、脳を動かしているエネルギー源は、ブドウ糖である。
低血糖状態になると、ブドウ糖が足りず、脳の機能も低下する。
ボーツとして集中力が生まれない。
はたから見ると、まるでやる気がないように見える。
このような低血糖状態が危ない。
血糖値が下がりすぎると人間は死んでしまう。
そこで脳がアドレナリンを分泌するよう指令を発する。
アドレナリンには、カラダがたくわえた糖分を血液中に出し、筋肉のパワーを上げる働きがある。
スポーツ選手などがだいじな競技がはじまる前に武者震いするのは、このアドレナリンが分泌されるからだ。
アドレナリンは、人間の攻撃衝動にかかわるホルモンなのだ。
ふつうなら、インスリンとアドレナリンはほどよくバランスされて、血糖値をコントロールしている。
ところが、慢性的に血糖値が低い人は、そのバランスがくずれ、アドレナリンが過剰に分泌される。
そうなると一気に攻撃衝動が高まって、キレるのである。
スナック類ばかり食べて、慢性的に低血糖状態におかれている子どもも、この状態になりやすい。
ふだんまったく無気力だった子どもがいきなりキレて、考えられないような攻撃性を見せるのは、こうしたカラダのメカニズム不全から起きるのだ。
この事件については、新聞やテレビなどで連日報道されたから、読者のみなさんもよく覚えていることと思う。
私はひょんなことから、この少年が事件の前に保健室で休んでいたことを知った。
体温を計ったところ、35.8度しかなかったそうだ。
典型的な低血糖状態である。
低血糖状態でだるく、やる気がなくなっているところへ、先生がきびしく注意する。
これがふつうの状態なら子どもはシュンとしただけですんだだろう。
しかし、インスリンの分泌が慢性過剰で不安定になっているところに、いきなり叱責=攻撃を受けたものだから、脳はあわてて大量のアドレナリンの分泌を指令する。
その結果、激しい攻撃衝動が生じ、ああした痛ましい事件が起きてしまったのだと推測できる。
おそらく少年自身、なんであんなことをやってしまったのか、わからないのではなかろうか。
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